会社のお金と決算書が読める講座

区分1 お金の流れの土台★★★

No.01 売上・費用・利益

売上・費用・利益という、決算書を読む時の一番の土台です。利益には種類が4つあり、どこまで引いた利益なのかが違います。この講座の最初の単元なので、ここから順に積み上げていきます。
目次
  1. 第0章 前提知識
  2. 第1章 利益は引き算を重ねて4つ出てくる
  3. 第2章 自社の例に当てはめる
  4. 確認問題

第0章 前提知識

① 売上・費用・利益 :3つの言葉

売上は、商品やサービスを売って得た金額です。 費用は、売上を得るために使った金額で、仕入代・給料・家賃などです。 利益は、売上から費用を引いた残りです。

式にすると、利益=売上-費用。 決算書を読む時は、この式がいつも土台にあります。

② 損益計算書 :利益の計算を1枚にした表

損益計算書(PL、Profit and Loss statement の略)は、一定期間(1か月や1年)の売上と費用を並べて、利益がいくらだったかを示す表です。 通信簿のように、「この期間は、いくら儲かったか」を見る物です。

freee では、毎月の試算表の中に出てきます。

③ 似た言葉との違い

何のことか
売上 売って得た金額(お金が入った金額とは限らない。No.02で扱います)
利益 売上から費用を引いた残り
手元のお金 銀行口座や現金にある金額。利益とは別物(No.02で扱います)

「売上」と「入金」は、同じ言葉に聞こえますが別の物です。 ここは混ざりやすいので、No.02でじっくりやります。

第1章 利益は引き算を重ねて4つ出てくる

損益計算書は、売上から費用を順番に引いていき、途中で何度か「利益」が出てきます。 どこまで引いたかで、名前が変わります。

ここでは物販の例を使います。数字は、分かりやすくした架空の例です。

項目 金額(例)
売上高 100万円
売上原価(仕入れた商品代) -60万円
売上総利益 40万円
販売費及び一般管理費(給料・家賃・広告費など) -30万円
営業利益 10万円
営業外収益(受取利息など) +1万円
営業外費用(借入の利息など) -2万円
経常利益 9万円
特別利益 +0万円
特別損失(臨時の大きな損失など) -1万円
税引前当期純利益 8万円

この表の下には、さらに法人税などを引いた「当期純利益」が続きます。 ここまでで、全部で5つの利益が見えました。

① 売上総利益 :商品そのものでいくら残るか 必ず覚える

売上から、売上原価(その商品を仕入れるのにかかった代金)だけを引いた利益です。 「粗利」とも呼ばれます。

これが小さいと、値付けが安すぎるか、仕入れが高すぎるかのどちらかです。 商売の土台にあたる数字です。

なお、訪問介護のように在庫を持たない仕事では、売上原価をどう分けるかは会社によって違います。 ヘルパーさんの給与を原価に入れる会社もあれば、販売費及び一般管理費に入れる会社もあります。freee で自社の科目の並びを見て、どちらで処理しているかを確かめてください。

② 営業利益 :本業の儲け 必ず覚える

売上総利益から、販売費及び一般管理費を引いた利益です。 給料・家賃・広告費など、事業を動かすのにかかる費用が入っています。

営業利益は、本業だけで稼げているかを見る数字です。 利息や臨時の損益は含まれないので、会社の「本来の力」がここに出ます。

③ 経常利益 :本業に、利息などを足し引きした利益 必ず覚える

営業利益に、本業以外で毎期出てくる損益を足し引きした利益です。 代表は受取利息と、借入の支払利息です。

借入が多い会社では、営業利益は黒字でも、利息の支払いで経常利益が小さくなることがあります。 銀行や融資の場面では、経常利益がよく見られます。

④ 税引前当期純利益 :臨時の損益まで入れた利益 さらっと

経常利益に、特別利益・特別損失を足し引きした利益です。 特別な損益とは、災害の損失、固定資産(長く使う物)を売った損益など、毎年は起きないものです。

ふだんは大きな動きがないので、「経常利益とほぼ同じ」と見ておいて構いません。 さらに法人税などを引いた最後の利益が「当期純利益」で、会社に最終的に残る利益です。

○ よくある勘違い:「利益」と言われたら、どれのことか確かめる。営業利益のつもりで話していて、相手は当期純利益のつもりだった、というずれがよく起きます
○ 利益が出ているかを見る時は、まず営業利益。本業が黒字かどうかが分かります
○ 利益はお金ではありません。売上が立っても、まだ入金されていないことがあります。詳しくはNo.02
○ 損益計算書の見方の続きは、No.03(後で出ます)

第2章 自社の例に当てはめる

① 自社の例でどう見えるか さらっと

あなたの会社でいくつか例を挙げます。数字は架空です。

どの会社でも、まず見るのは営業利益です。 会社ごとに「引かれる費用の中身」が違うだけで、引き算の順番は同じです。

② freee で見る時は さらっと

freee で試算表を開くと、損益計算書の形で、売上高・原価・販売費及び一般管理費・営業利益・経常利益…と並んでいます。 今日は全部の行を見なくて構いません。まず営業利益と経常利益の2つだけを見てください。

利益=売上-費用。損益計算書は、そこから「売上総利益→営業利益→経常利益→税引前当期純利益」と、引き算を重ねて利益が出てくる。まずは営業利益(本業の儲け)を見る。利益はお金そのものではない。

確認問題

問1 次の数字があります。売上100万円、仕入れた商品代60万円、給料・家賃・広告費30万円。営業利益はいくらですか。

問2 営業利益は黒字ですが、借入の利息が大きく、経常利益はほぼゼロになりました。この状況を正しく説明しているのは?

問3 ある月の損益計算書で、利益が50万円と出ていました。この50万円について、正しいのはどれですか。

出典:中小企業庁「中小企業の会計に関する基本要領」(損益計算書の考え方)。営業利益・経常利益・税引前当期純利益の区分は、一般的な損益計算書の様式に基づく。数値は説明用の架空の例。