この講座は、訪問介護などの小さな会社を経営していて、freee(会計ソフト)を使っている人向けです。
会社を経営していると、数字を見て決める場面が何度も来ます。 値上げするか。人を増やすか。借入をするか。
そこで決算書を開いてみても、行が多くて、言葉も多くて、どこを見ればいいのか分からない。 簿記を勉強していない人なら、そうなって当然です。
つまずく原因は、頭の良し悪しではありません。 決算書を「全部の行を読む物」だと思って開いていることが原因です。 経営に使う時に見る所は、実は少ししかありません。
自社の試算表で「儲かっているか」「お金は足りるか」「危ない所はどこか」を言えること。
試算表とは、決算を待たずに、月の途中や月末の時点でまとめた数字の表です。 あなたの会社なら、freee で毎月見られる物です。
決算書の中心は、次の3つの表です。
freee の試算表には、損益計算書の形と貸借対照表の形の2つがあり、月ごとに見られます。 決算書は、その1年分の確定版です。 キャッシュフロー計算書は試算表には無いので、No.05の方法で代わりに見ます。 freee の画面の名前は、プランや更新で変わることがあります。
簿記の資格を取るための講座ではありません。 仕訳(お金の動きを記録するルール)を自分で切れるようになる必要もありません。記録は freee に任せて、読む方に集中します。
自社1社の試算表を freee で開いて、3つの問いにそれぞれ3行で答えます。
最後まで読み終えたら、実際に1社分やってみてください。 3行で言えたら合格です。
必要になった時は、税理士さんや freee のヘルプに聞けば足ります。 複数の会社を持つあなたが毎月やるのは、数字を読んで決めることだからです。
講座は、数字を見る順番に4つの区分で並べています。
○ 区分1 お金の流れの土台(No.01〜02)
売上・費用・利益と、利益とお金は別物だという話。いちばん最初に固める所です。難しさはやさしめで、黒字なのにお金が無い理由がここで分かります。目標は、利益と手元のお金のずれを自社の例で説明できること
○ 区分2 決算書の3つ(No.03〜05)
損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書を開いて、見る所を示せるようにします。表どうしがつながっていると分かると、急に読みやすくなります。目標は、3つの表それぞれで見る所3つを示せること
○ 区分3 経営に使う数字(No.06〜08)
資金繰り、借入と返済、いくつかの指標。経営判断にいちばん直結する区分で、計算は足し算と割り算だけです。介護は入金が約2か月遅れるので、あなたの会社には特に大事な所です。目標は、資金繰りと返済の無理なさを数字で言えること
○ 区分4 日経(日本経済新聞)とつなぐ(No.09)
金利・物価・為替のニュースが、自社の表のどの行に出るかを結びます。予想はしません。道筋を知るだけです。目標は、記事1本から動く行を言えること
区分1は、他の全部の根っこです。 ここが曖昧だと、区分2以降の表が全部ぼやけます。逆に、ここさえ固まれば、あとは「同じ話を別の表で見ている」だけになります。
区分2は用語が増えます。 ただし表の行を全部覚える必要はなく、見る所は各表3つに絞ります。
区分3は、少し難しく感じる区分かもしれません。 それでも、あなたの会社の入金の遅れという実感に近い話から入ります。
区分4は、区分1〜3が分かっていれば短く終わります。
この講座では、会計ソフトは「freee」と呼びます。 3つの表は、損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュフロー計算書(CF)と呼びます。PL・BS・CF は英語の頭文字で、ほかの本や freee の画面でも使われている呼び方です。
そして、読み手のあなたは「あなた」と呼びます。
ゴールは、自社の試算表で「儲かっているか・お金は足りるか・危ない所はどこか」を言えること。卒業課題は、その3つを3行ずつで説明すること。