会社のお金と決算書が読める講座

はじめに

全体像と攻略法

最初に、この講座で目指す所と、やらない事を決めておきます。決算書を全部読める人になる必要はありません。自社の数字で3つの問いに答えられれば足ります。
目次
  1. 決算書は、全部読めなくて大丈夫です
  2. この講座のゴール
  3. やる所とやらない所
  4. 呼び方の約束

決算書は、全部読めなくて大丈夫です

この講座は、訪問介護などの小さな会社を経営していて、freee(会計ソフト)を使っている人向けです。

会社を経営していると、数字を見て決める場面が何度も来ます。 値上げするか。人を増やすか。借入をするか。

そこで決算書を開いてみても、行が多くて、言葉も多くて、どこを見ればいいのか分からない。 簿記を勉強していない人なら、そうなって当然です。

つまずく原因は、頭の良し悪しではありません。 決算書を「全部の行を読む物」だと思って開いていることが原因です。 経営に使う時に見る所は、実は少ししかありません。

この講座のゴール

ゴール 必ず覚える

自社の試算表で「儲かっているか」「お金は足りるか」「危ない所はどこか」を言えること。

試算表とは、決算を待たずに、月の途中や月末の時点でまとめた数字の表です。 あなたの会社なら、freee で毎月見られる物です。

試算表と3つの表の関係 必ず覚える

決算書の中心は、次の3つの表です。

freee の試算表には、損益計算書の形と貸借対照表の形の2つがあり、月ごとに見られます。 決算書は、その1年分の確定版です。 キャッシュフロー計算書は試算表には無いので、No.05の方法で代わりに見ます。 freee の画面の名前は、プランや更新で変わることがあります。

簿記の資格を取るための講座ではありません。 仕訳(お金の動きを記録するルール)を自分で切れるようになる必要もありません。記録は freee に任せて、読む方に集中します。

卒業課題 必ず覚える

自社1社の試算表を freee で開いて、3つの問いにそれぞれ3行で答えます。

最後まで読み終えたら、実際に1社分やってみてください。 3行で言えたら合格です。

やる所とやらない所

やらない事 さらっと

必要になった時は、税理士さんや freee のヘルプに聞けば足ります。 複数の会社を持つあなたが毎月やるのは、数字を読んで決めることだからです。

4つの区分 必ず覚える

講座は、数字を見る順番に4つの区分で並べています。

○ 区分1 お金の流れの土台(No.01〜02)
 売上・費用・利益と、利益とお金は別物だという話。いちばん最初に固める所です。難しさはやさしめで、黒字なのにお金が無い理由がここで分かります。目標は、利益と手元のお金のずれを自社の例で説明できること
○ 区分2 決算書の3つ(No.03〜05)
 損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書を開いて、見る所を示せるようにします。表どうしがつながっていると分かると、急に読みやすくなります。目標は、3つの表それぞれで見る所3つを示せること
○ 区分3 経営に使う数字(No.06〜08)
 資金繰り、借入と返済、いくつかの指標。経営判断にいちばん直結する区分で、計算は足し算と割り算だけです。介護は入金が約2か月遅れるので、あなたの会社には特に大事な所です。目標は、資金繰りと返済の無理なさを数字で言えること
○ 区分4 日経(日本経済新聞)とつなぐ(No.09)
 金利・物価・為替のニュースが、自社の表のどの行に出るかを結びます。予想はしません。道筋を知るだけです。目標は、記事1本から動く行を言えること

区分1は、他の全部の根っこです。 ここが曖昧だと、区分2以降の表が全部ぼやけます。逆に、ここさえ固まれば、あとは「同じ話を別の表で見ている」だけになります。

区分2は用語が増えます。 ただし表の行を全部覚える必要はなく、見る所は各表3つに絞ります。

区分3は、少し難しく感じる区分かもしれません。 それでも、あなたの会社の入金の遅れという実感に近い話から入ります。

区分4は、区分1〜3が分かっていれば短く終わります。

呼び方の約束

この講座では、会計ソフトは「freee」と呼びます。 3つの表は、損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュフロー計算書(CF)と呼びます。PL・BS・CF は英語の頭文字で、ほかの本や freee の画面でも使われている呼び方です。

そして、読み手のあなたは「あなた」と呼びます。

ゴールは、自社の試算表で「儲かっているか・お金は足りるか・危ない所はどこか」を言えること。卒業課題は、その3つを3行ずつで説明すること。